グァバ
Guava

グァバ
別名バンジロウ、バンシルー、潘石榴
学名Psidium guajava
科名フトモモ科バンジロウ属
産地熱帯アメリカ
利用部分葉、果実
風味葉はハッカのような香り、果実は甘く酸味がある
グァバとは

グァバとは、フトモモ科バンジロウ属に属する常緑中高木植物です。樹高は3~4mで、樹皮はスベスベとしています。卵形の葉を持ち、5枚の花弁を持った白い花を咲かせます。グァバの果実は特有の香りを持ち、小さく固い種子を持っています。

グァバは、紀元前から熱帯アメリカの先住民の間で食用として親しまれていました。

16~17世紀に東南アジアに伝わり、実を食べる以外にも葉がお茶として用いられており、漢方では『蕃麗茶』として親しまれ、整腸作用や下痢止め効果も認められています。近年の研究により、グァバの健康成分が科学的に証明され、グァバの葉からつくられるグァバ茶などは特定保健用食品として商品化され、血糖値が気になる方や健康志向の高い方の間で人気を高めています。

グァバの葉には、タンニンやケルセチンなどのポリフェノールが豊富に含まれており、葉と果実には、ビタミンC、β-カロテン、ビタミンE、カリウム、食物繊維なども含まれ、これらの成分は様々な健康に対する効果が期待できます。

グァバの効能

①血糖値を下げる効果
グァバの葉には、ポリフェノールが豊富に含まれています。
このポリフェノールには、糖質をブドウ糖に分解する酵素の働きを抑える効果があり、血液中への糖の吸収を遅らせ、血糖値の上昇を抑えます。結果、高血糖が原因で起こる糖尿病の予防にも効果があります。
体内に余分に吸収されたブドウ糖は、脂肪に変換されて蓄積されます。このため、体内での脂肪合成減少が見込まれ、ダイエット効果も期待できます。

②動脈硬化を予防・改善する効果
血液中の悪玉(LDL)コレステロールが増加すると、血管の内壁が脂質で分厚くなり、こぶのようにせり出して血管を狭めるため、高血圧や動脈硬化などが引き起こされます。グァバの葉や果実に豊富に含まれるビタミンCや食物繊維には、血中の悪玉(LDL)コレステロールを減少させ血液をきれいにする働きがあります。さらに、ケルセチンには血液中の抗酸化力を高め、血流を改善したり、血管の健康を保つ効果があり、動脈硬化の予防に効果的です。

③高血圧を予防する効果
グァバの葉や果実にはカリウムが豊富に含まれています。カリウムは体内でナトリウムとバランスを取り合って存在しています。体内のナトリウム濃度が高くなると、濃度を薄めようとして水を取り込み体液量が増加してしまうため、血管が圧迫され血圧が上がってしまいます。カリウムには、ナトリウムを排泄させる働きがあるため高血圧の予防に効果があります。

④便秘や下痢を解消する効果
グァバの葉や果実に豊富に含まれる食物繊維は、腸内の有害物質を吸着して一緒に体外へ排泄する働きを持っています。また、腸内の善玉菌を増やし、腸の調子を整える働きも持つため、便秘の解消に効果を発揮します。さらに、グァバの葉に含まれるタンニンには抗菌効果があり腸内の悪玉菌を減らす働きがあるため、下痢の予防にも効果的です。

⑤感染症予防、ストレス緩和、美肌効果
グァバの葉や果実にはビタミンCが豊富に含まれています。
ビタミンCは、血液中の白血球、特に好中球に多量に含まれており、体外から侵入してきた細菌やウイルスなどを撃退する役割を担っています。ビタミンCは白血球の働きを高め、ビタミンC自らも細菌やウイルスと闘う力を持っています。さらに、β-カロテンやビタミンEと一緒に摂取することでビタミンCの働きが強くなるため、グァバを積極的に摂取することで免疫力を高め、風邪などの感染症を予防したり、病気の回復を早める効果があります。
またビタミンCには、心地良さなどの感情をつくり出すドーパミンややる気を起こさせるノルアドレナリンなどの神経伝達物質と、ストレスをやわらげる副腎皮質ホルモンの合成をサポートする働きがあります。ビタミンCが含まれるグァバには、ストレスに対する抵抗力を高めたり、イライラを鎮める効果があります。
グァバの葉や果実に豊富に含まれるビタミンCやビタミンEには、シミやそばかすを予防し、ハリのある若々しい肌を保つ効果があります。
ビタミンCにはチロシンからメラニンをつくり出す、チロシナーゼという酵素の働きを抑制し、メラニン色素の沈着を防ぐ効果が期待できます。さらに、ビタミンEには血管を広げて血行を良くする働きがあるため、新陳代謝が活発になり肌にハリを与える効果があります。