マテ茶
Yerba mate

マテ茶
学名Ilex paraguariensis
科名モチノキ科モチノキ属
産地パラグアイ、ブラジル、アルゼンチン
利用部分
風味グリーンマテは青臭くコクのある味、ローストマテは香ばしい風味
マテ茶とは

マテ茶とは、南米大陸南東部地区で生産されている飲み物で、モチノキ科の常緑樹ゼルバマテの葉や茎を乾燥し、粉砕して、精製したものに熱湯をかけて飲用します。コーヒーと紅茶(中国茶・日本茶を含む)に並んで、世界三大飲料のひとつとなっています。

カルシウム、亜鉛、鉄、食物繊維、葉緑素(クロロフィル)を豊富に含んでいるため、慢性的な野菜不足を補うほどバランスの良い健康効果を持つことから「飲むサラダ」ともいわれています。また、マテ茶には体内でアミノ酸から合成される水溶性ビタミン様物質のコリンと、カフェインに似たアルカロイドであるマテインが豊富に含まれています。コリンは血管を拡張して血圧を下げる効果があるといわれており、コレステロール値を調整するレシチンを生み出し、動脈硬化の予防に働きかけます。

さらに、マテインは、自律神経を刺激し、心身を活性化させるほか、血流を改善することで細胞の新陳代謝を促進する効果が期待されています。

一時期、マテ茶と発がん性リスクが取りざたされていましたが、2016年6月15日、国際がん研究機関(IARC)は、コーヒー及びマテ茶は「グループ3」(ヒトに対する発がん性について分類できない)に分類した結果を発表しました。現地では、伝統的に非常に高温のマテ茶を飲む習慣があり、がんの発症率に影響を与えたのは飲み物の温度であってマテ茶そのものではないと結論されました。

マテ茶の効能

①肥満を改善する効果
マテ茶には、肥満を抑制する効果が期待されています。
高脂肪食を8週間与えて肥満状態になったマウスに、マテ茶抽出物を摂取させると、体重の増加が抑えられたことがわかっています。これは、マテ茶抽出物が、脂肪の吸収を促進する膵リパーゼの働きを阻害するためだと考えられています。
また、マテ茶のマテインは中枢神経に働きかけて空腹感を緩和する効果もあるため、肥満を解消すると言われています。

②コレステロール値を下げる効果
マテ茶には、悪玉(LDL)コレステロールを低下させる効果があります。
2009年に、ブラジルの大学から報告された臨床試験があります。健常者、脂質異常症患者、高コレステロール血症患者を対象に、1回あたり330mlのマテ抽出物含有飲料を1日3回、40日間投与させたところ、悪玉(LDL)コレステロール値が健常者では8.7%、脂質異常症患者では8.6%、高コレステロール血症患者では13.1%低下したことがわかっています。

③認知機能に対する効果
マテ茶には、認知機能を改善する効果が期待されています。
マテ茶を摂取したマウスにモーリス水迷路実験を行うと、マウスの学習・記憶能力が高まったことがわかっており、マテ茶には認知機能に対する効果があるといわれています。